伝統の直火焙煎カレールウ


田中屋(屋号)杉本商店は、明治三十年頃に東京市四谷区で、食堂と業務用食品卸売り問屋を数店舗営んでいました。

現在も新宿区にある杉本商店本店の工場で、直火焙煎のカレールウを製造しております。今では珍しい食塩不使用のカレールウは、様々なアレンジ料理にご利用いただけます。100年以上にわたり、和食店向けに卸売してきた経験を基に編み出した当店オリジナルのカレールウが、ご商売の更なる発展につながれば幸いです。

日本のカレー


インド料理や英国カレーとは違い、カレー粉と小麦粉を煎り合わせた日本特有のカレーです。

印度カレー
カレー粉は使わないで、素材にあわせて数種類の香辛料を使い調理します、 素材に合ったスパイスやハーブを使うので、調理には香辛料を使いこなす知識と経験が必要です。 食材の特徴とスパイスを知り尽くしたシェフのいる専門店が多く、日本のインド料理店で「カレー」と言うメニューは存在しない店もあります。
欧風カレー
英国カレー料理の日本版で、ブロック肉を長時間煮込んだり、あめ色玉ねぎや野菜を煮込んだスープをベースに、 20~30種類のスパイスやハーブをブレンドしてあるイギリス発祥の「カレー粉」を加えて仕上げます。 フランス料理の調理法で作るので手間と費用がかかるので、高級ホテルのレストランやカレー専門店で食べられます。
和風カレー
日本式カレーライスのルーツは海軍カレーといわれています。小麦粉でとろみを付ける事が特徴で白飯にもよく合い、船の揺れでもこぼれないようにアレンジされたようです。 明治後半にはカレールーが出来たことで短時間でカレーライスが作れるようになりました、仕込みなどの手間が掛からないので和食店を中心に庶民派カレーとして広がりました、日本そば店のカレーライスやカレー南蛮(そば、うどん)は日本で進化したカレーの代表的なメニューです。

カレー丼とカレーライスの違い

蕎麦屋さんのカレー
明治30年から、そばつゆにカレーを溶かしたカレー南蛮を売り出すと、カレーライスとカレー南蛮の2方へ進化していきます。
蕎麦屋さんのメニューを見ると、カレー丼とカレーライスがあります。どちらもご飯の上にカレーをかけるのは同じですが、食べてみると味は全く違います。カレー丼はカレー南蛮の汁をベースに使い、更にとろみを付けてご飯にかけたもので醤油味のカレーです。カレーライスは2番出汁をベースに、砂糖と塩で味を付ける塩味のカレーライスです。

ライスカレー


大正のカレーライス

明治43年に発行された毎日のお惣菜への広告で、紹介されたライスカレーの作り方です。

ライスカレーの作り方
ライスカレーには1人前に付普通の盃に一杯の割合也。ライスカレーには肉類を生醤油で煮上げ共のしるを宜き加減にのばして「カレー粉」をままぬるき湯にてとかし鍋を1寸おろしておいてかきまぜて又煮上るなり、汁物には総べて薄葛の手加減にてよろしとす。

   ライスカレーのレシピ

 

ライスカレーは明治から大正にかけて日本そば屋さんで進化しました、砂糖、塩、醤油を使う事で黄色いライスカレーが茶褐色に変わり、その後ソースやケチャップが普及し始めると酸味のある茶色いカレーライスになりました。麺つゆで作るカレー南蛮やカレー丼と違う和風カレーライスの誕生です。